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議会レポート

過大規模校対策、盛土問題、G7サミット誘致問題についてただす

日本共産党の山口湧人市議は、2021年12月17日、福岡市議会の一般質問で、千早小学校をはじめとした過大規模校対策、条例違反の盛土の許可を取り消して規制を強化すること、G7サミット誘致についての問題点を取り上げました。

福岡市では、九大学研都市駅や香椎駅、千早駅を中心とした土地区画整理事業で住宅や高層マンションの建築が相次ぎ、人口が爆発的に増加しています。その反動が如実に現れているのが学校のパンクです。東区の千早小学校は、今年児童数が1000人を超えて35学級もあり、文部科学省が早急な解消を求めている「過大規模校」の状態です。しかも、今後さらに児童数が増える見込みであり、教室が足りない、休み時間に交代でしか運動場で遊べないなど、教育環境の悪化が深刻です。

山口市議は学校の分離・新設や校区調整では限界があり、教育環境を守るために、市長が先頭に立って過剰な開発行為を規制すべきだと求めました。

市長は、民間企業の開発行為に規制をかけることは難しいと答弁し、教育環境を守る願いに背を向けました。

西区今宿地域でソーラーパネル設置のための盛土造成が行われていますが、この地域は土砂災害特別警戒区域に指定され、すぐ近くに住宅やマンションなど集落があり、大雨の際の土砂災害により住民に危害が及ぶ可能性があります。2020年10月に事業者から土砂埋立ての許可申請が出され、市は許可をしましたが、実際には2017年ごろから盛土を行っていました。

山口市議がこれは条例違反ではないかと問うと、農林水産局長は最初ごまかそうとしましたが、山口市議が再度質すと違反であると明言。また、必要な災害防止措置を講じられていないことも認めました。山口市議は条例違反の状態にあるこの盛土について、事業者に許可を出した市を批判。許可を取り消し、災害防止措置を直ちに講じるよう事業者に命令するとともに、罰則の強化や住民説明会の義務づけ、土砂災害特別警戒区域等における埋立て等の禁止を盛り込んだ条例改正を求めました。

市長は、国や県の動向を踏まえて対応すると述べるにとどめ、条例改正や許可の取り消しには言及しませんでした。

今年10月、市長は2023年に行われるG7サミット(主要7カ国首脳会議)開催都市に立候補することを表明しました。市長は「福岡を通して日本の姿を見せたい」と福岡市にたくさんの人を呼び込もうとしていますが、新しい変異株の発生や世界での感染再拡大など、コロナ収束の見通しが立たない中で、海外からどんどん福岡に来てくれと手を振るなど無謀だと言えます。

山口市議は、G7サミットを誘致した場合、福岡市にも莫大な財政負担が求められると指摘。結局はG7サミットを口実にした財界・大企業への仕事づくり、もうけづくりに市民の血税を投入しようとする魂胆ではないかと告発しました。そのうえで、G7サミット誘致はきっぱりやめて、コロナ危機に対する十分な補償と支援を迅速に講じ、インバウンド頼みの「呼び込み」型から、福岡の経済を支えてきた地場産業の力を支援し伸ばす「内発」型の経済政策への転換を求めました。

市長はあくまでG7サミット誘致に固執する姿勢を見せ、海外からの多くの人を呼び込むことについての不安には一切答えませんでした。