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議会レポート

保育「無償化」、企業主導型保育の問題をただす

2019年9月12日から始まった福岡市の9月議会で、日本共産党の山口湧人市議は議案質疑に立ち、幼児教育・保育の「無償化」、企業主導型保育について高島宗一郎市長をただしました。

今回の「無償化」は対象が3歳以上の子どもなどに限定された上に、福岡市では保育料がすでに無料になっている生活保護や住民税非課税などの低所得者層にはまったく恩恵がなく、消費税増税を財源としたために、低所得者には負担増のみが押し付けられることが、質疑の中で明らかになりました。

また、給食のおかず代である副食費については、月5000円を超える実費徴収となります。

山口市議は消費税増税を中止し、大企業・富裕層への応分の負担を求めて財源をつくり、完全な無償化を国に求めるよう提案。また、新たな負担増にならないように市として手だてをとるように市長に迫りましたが、市長は応じませんでした。

福岡市の企業主導型保育をめぐって補助金詐取事件が起こりました。

この事件で逮捕されたコンサルティング会社社長が関与していた市内の企業主導型保育施設も存続の危機に追い込まれ、職員・保護者から悲痛な訴えが共産党にありました。山口市議は田村智子参院議員とともに、聞き取りを行い、それをもとに市をただしました。

同園では園長らが何度社長らに申し入れても絵本・おもちゃなどがまともにそろえてもらえず、保育士たちがかき集めて開設に間に合わせたことや、保育士の給料も数ヶ月間支払われていない事実、金銭管理も握っていた社長らが電話代も支払わなかったため電話やWi-Fiが通じない実態などが質疑で明らかになりました。ところが、市はこれまでに定例の立入調査を2度行いましたが、こうした事実には何ら触れていないことが質疑で判明しました。

特に調理室については、給食は一度も作られず、実際には設置企業が運営するレストランの厨房として使われ、ワイングラスなどが置いてある実態を山口市議が紹介すると、議場からどよめきが起こりました。ところが、市は同調査で“問題なし”としていたことが暴露されました。

山口市議は市の調査が有名無実なものになっていると厳しく批判。同施設や職員・保護者からの相談に市として親身に対応するよう求めるとともに、市内の他の同型施設への立入調査を強化するよう要求しました。

問題の多い企業主導型保育ではなく認可保育園を増設するよう迫りましたが、市長は「今後とも企業主導型保育の活用に取り組む」と推進の姿勢を示しました。